はてなブログはSEOに強いとよく聞きます。本当にそうでしょうか。
結論から書くと、回答は「そんなでもない」です。
今日は、何故はてなブログのSEOの強さが「そんなでもない」なのか、仮にSEOにそんな強くないとして、それでもはなてブログを使う利点があるのか否かについて書いてみたいと思います。
前提
当ブログは、wordpressを使っています。一方で、筆者はサブブログとしてはてなブログも使っています。いわば、筆者は両方のメリットとデメリットを実際に体感している人間ということになります。
また、筆者は職業エンジニアであり、日々プログラムに接している人間です。このことは、当記事には直接関係ありません。SEOは筆者の専門外です。記事の信ぴょう性は保証できませんが、もしあなたが非プログラマであるなら、筆者の職業にある種の説得力を感じるかもしれません。
SEOを考えるポイント
大雑把にいえば、SEOを考えるポイントは二つです。
- サイト(ドメイン)の評価
- ブログのアウトライン構成
順に見ていきましょう。
サイト(ドメイン)の評価
「はてなブログドメインが強い」は間違った話ではない
googleは、ドメインごとにそのドメインの権威性を評価しています。
要は、「そのサイトがどのくらい信用できるか」という指標です。たとえば空リンクばかりで中身のないようなサイトは、いかに検索キーワードにマッチしていたとしても、評価の低いサイトとして検索上位にあがってこないようになっています。
はてなブログのドメイン評価は、抜群です。
これはなにもはてなブログに限らず、FC2やamebaやlivedoorなど、レンタルブログのドメインに共通する傾向です。大抵の場合、運営したばかりのオリジナルドメインに比べて、レンタルブログのドメイン評価は高いことが多いです。既に多くの先人たちが記事を書いてきた蓄積があるからです。
なので、この点をもって「はてなブログ(のドメイン評価)はSEOに強い」というのは、一概に間違った話ではありません。
ひとつの検索結果で、ひとつのドメインは一度しかヒットしない
ただ、問題は「はてなブログのドメイン内であなたのブログが勝ち上がれるかどうか」ということです。
どういうことかというと、基本的に、google検索では、ひとつの検索結果に各ドメインは一個しかヒットしないのです。
仮に「節約」というキーワードで検索したとして、検索結果の一ページ目に「○○○.hateblo.jp」というページがヒットしていたなら、もう以降のページで「×××.hateblo.jp」や「△△△.hateblo.jp」というページはヒットしないと思ってください。
(この法則は絶対ではありません。googleの判断で複数出す場合もあります。ただ、少なくとも同一ドメインが出にくいのは確かなので、基本的に出ないと思っていた方がいいでしょう)
この辺が網羅的で参考になるかも⇒http://moukegaku.com/google-ranking-algorithm/
はてなという強いドメインの中で、あなたは勝ち上がれるか?
なので、まとめると「googleから見て、はてなブログの評価は高いけれど、そのはてなブログの中であなたのブログの評価が高いとは限らない」という言い方になります。
もし、はてなブログ内に、あなたのブログテーマと隣接するブログが複数あれば、あなたとそのブログたちは、有限な検索リソースを互いに奪い合うことになるでしょう。
独自ドメインを使えば問題は解決するが、はてなブログの優位性は失われる
この問題は、独自ドメインを使えば解決します。
経験として、レンタルブログなどのドメイン評価が独自ドメインを上回るのは、独自ドメインを運用したての本当に最初の頃くらいです。レンタルブログには確かに先人たちのたくさんの蓄積がありますが、その分ノイズも多いからです。あなたのブログがあるテーマに特化している限り、レンタルブログの評価は恐れるほどではありません。「序盤はレンタルブログが強い。でも、序盤だけ」ということです。
ただ、そうすると、はてなブログのドメイン評価の優位性は失われることになります。つまり、「独自ドメインなら、どこだって同じ」ということになるからです。(googleのコンテンツ評価は、ドメインを基準としており、そのドメインがどこのブログサービスで運営されているかを気にしません)
ブログのアウトライン構成
さて、もうひとつ(というか、これがメインですが)、SEOを考える上で重要なのが、ページのアウトライン構造です。
googleのクローラは、ページのアウトラインをもとに、ページを解析します。h1タグが~とかいう、あれです。
気にするのは、トップページと各記事ページ
このアウトライン構成は、ブログのトップページと各記事ページで全く別の考え方をしなければなりません。汎用的なランディングページとなるトップページと、あるテーマに特化した個別記事ページでは、SEO戦略にも違いが出てくるからです。両者は分けて考える必要があります。
はてなブログのアウトライン構成は、そんなによくない。特に記事ページ
では、はてなブログのアウトライン構成はどうか。
これは自分の周囲を見る限り、wordpressの圧勝です。
正確にいえば、はてなブログがというより、はてなブログ用のデザインテーマの問題なのですが(※1)。はてなブログには、適切にhtml5対応されているテーマが少ないのです。トップページもそんなにSEOに強い構成ではないのですが、特に個別記事ページのSEOが弱い。
もし、あなたがはてなブログユーザなら、自分のブログのトップページばかりがヒットして、渾身の記事ページがなかなか検索上位に上がってこない事象に悩まされたことはないでしょうか? それは記事ページのアウトライン構成が最適化されていないからかもしれません。
wordpressのSTINGER5やSimplicityはよく考えられている
対して、wordpressの人気テーマであるSTINGER5やSimplicityなどのSEO効果は強力です。特に、自分で使っていることもあって、筆者はSTINGER5の考え方が好きです。
もっとも、これはブログサービスの問題ではなく、あくまでデザインテーマの問題なので、はてなブログであっても、デザインテーマをカスタマイズすることでSEOの弱さを解決できるかもしれません(※2)。
(※1、2 追記 : と思いましたが、はてなブログのデザインテーマは純粋にCSSしかカスタマイズできないようです。CSSではアウトライン構成を変えることはできません。なので、これは、テーマではなく、はてなブログ固有の問題でした)
↑はてなブログ記事ページのアウトライン例
↑wordpress(stinger5)記事ページのアウトライン例
まとめ
というわけで、はてなブログは言われるほどSEOに強くない点について、ご説明いたしました。
では、はてなブログを使う利点は何もないのでしょうか?
それでも、はてなブログにはメリットがある
SEOの優位性がないとしても、はてなブログには強力なメリットがあります。それは、はてブのホッテントリ入りすることによるソーシャルバズ効果です。
アルゴリズムが変わり、はてブによるソーシャルバズが狙えるようになった
もともと、はてブのホッテントリは、はてなブログの記事をあまり拾わないようなアルゴリズムになっていたそうです。それが最近(といっても、そこそこ前ですが)、このアルゴリズムが変わり、むしろ積極的にはてなブログの記事を拾うようになったとか。
皆さんの周囲で、急にブロガー仲間がはてなブログに移行しだした時期がなかったでしょうか? あの頃の話かと思います。
(すみません。ちゃんとソースを出したかったのですが、探してもちょうどいい記事がヒットしませんでした…)
このソーシャルバズ効果は凶悪で、特にはてなブログはSNS要素が強いため、身内でブクマをつけあう障壁が、wordpressなどに比べて圧倒的に低い。これは、陸の孤島wordpressでロビンソン・クルーソーしている筆者にとっては、めちゃめちゃうらやましいことです。はてなブログでサブブログを運営してみて、あらためてその威力を実感します。
記事を更新し続けてバズを狙うか、SEO効果で検索流入を増やしていくか
ただ、ソーシャルバスは基本的に瞬間最大風速ですので、継続してその恩恵にあずかるには、常に記事を更新し続けなければなりません。一方、SEOによる検索流入効果は、一度定着してしまえば、あとは時折の記事メンテだけで維持することができます。
なので、「常に記事を書き続ける」という行為が大変な人にとっては、ソーシャルバズ狙いのブログ運営は厳しいかもしれません。ちなみに、筆者はバズ狙い戦略が苦手です。逆に、記事更新が楽しくて、いくらでも書けるぜ!というかたもいらっしゃるので、この辺は本当に向き不向きだなーと思います。
じっくり検索流入メインでいくならwordpress、常に記事を書き続けソーシャルバズを狙っていくならはてなブログといったかんじでしょうか。
最後に
最後にすべてひっくり返すようですが、楽しく書くのが一番です。
これより大切なことなんて、そうそうあるものではないですから。
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