ミニマリスト、シンプリスト、あるいはその過程にある人を見ると、本当に色々な人がいるなーと感じます。
そこで、今日は思いつく限り、ミニマリスト・シンプルライフ志向の人の傾向を分類してみることにしました。
機能性重視ミニマリスト
「機能性重視ミニマリスト」は、機能性、機動力を重視した結果、持ち物が最小限になったタイプのミニマリストです。
傾向とスタイル
彼ら「機能性重視ミニマリスト」がバックパック一つで旅に出るのは、それ以上の荷物を持つと不便だからであり、寝袋で寝るのは、その方が効率的だからです。
「機能性重視ミニマリスト」はあくまで機能性で所有物を選ぶので、傍目に少々ボロかったり、格好悪くても気にしません。逆に、機能的なメリットが勝てば、時と場合によって荷物を増やすことも厭いません。彼らにとって、ミニマリストは機能性という目的を達成するための手段でしかないからです。
美観重視ミニマリスト/シンプリスト
「美観重視ミニマリスト/シンプリスト」は、「物が少ない」という空間の調和を重んじます。モデルハウスのような家を至上としており、そのため、自分の所有物か否かに関わらず、自分のテリトリーに物があることを嫌がります。
傾向とスタイル
「美観重視ミニマリスト/シンプリスト」は、数を絞るかわりに、所有物を徹底的に厳選したいと考えています。美観を左右するのだから、当然です。機能性重視志向は、美観重視ミニマリスト/シンプリストにとって物を減らす一つの方法論ではありますが、至上目的ではありません。ときめきが勝てば、必要性の薄いものでもあえて買ったりもします。(そして、愛でます)
束縛を嫌うミニマリスト
「束縛を嫌うミニマリスト」――このタイプは、とにかく所有物がもたらす重ったるさを嫌います。機能性や美観は、彼らにとって必要悪であり、本心ではそれら必要悪的所有物も削りたいと考えています。
傾向とスタイル
「束縛を嫌うミニマリスト」は、なるべく自分と社会を切り離していたいと考えます。機能性重視、美観重視のミニマリストは、都市の機能に依存している分だけ都市から離れることが困難になりますが、一方で、束縛を嫌うミニマリストは、セミリタイア・Bライフと強い親和性がある場合も多いです。
「束縛を嫌うミニマリスト」は、「社会」としての人づきあいを嫌い(気心の知れた友人は別)、しばしばケータイを持ちません。購入履歴を残したくないからという理由でカード否定派だったり、会員登録型のサービスに強い抵抗感をおぼえる場合もあったりします。シンプルで、自由でありたいのです。
捨て至上主義なミニマリスト/シンプリスト
とにかく捨てることが気持ちいい、捨てていると満たされる、捨てることがライフワークだというタイプのミニマリストが、この「捨て至上主義なミニマリスト/シンプリスト」です。
傾向とスタイル
彼らの捨て至上主義傾向は、かつて物を持ちすぎていた反動として発露したりします。機能性や美観や束縛よりも、とにかく捨てることが第一であり、週に捨てる数のノルマが決まっていたりします。捨てることが快感であり、物を捨てない時期が続くと禁断症状を引き起こすケースもあるようです。
原理的に、捨てる物がないとこの「捨て至上主義なミニマリスト/シンプリスト」タイプは成り立たないので、断捨離過程にいる人に多いかもしれません。
捨てる物がなくなるという「捨ての壁」に直面した後の進化は様々で、ここから別のスタイルのミニマリスト・シンプリストにジョブチェンジしたり、「更に捨ての修羅になる」という道を選び、いっそう業の道を究めていく猛者もいます。
節約のためのミニマリスト/シンプリスト
機能重視、美観重視、束縛嫌い、捨て至上主義のタイプが、自分のスタイルが貫けるのなら少々の出費を厭わないのに対して、「節約のためのミニマリスト/シンプリスト」は費用対効果で物事を判断します。
傾向とスタイル
「節約のためのミニマリスト/シンプリスト」にとっては、とにかく節約することが至上目的であり、ミニマリズム、シンプリズムはそれを実現するための単なる手段です。断捨離の優先度は、まずはインフラなどの固定費用まわりから。コスパに優れる100均グッズを愛用します。
当然、お金のかかるアウトソースは避け、自炊中心で考えます。鞄が膨らんでも、水筒や弁当を持ち歩きます。反面、お金がかからないのであれば、少々の時間や手間は許容できるタイプです。
ミニマリストのためのミニマリスト
「ミニマリストのためのミニマリスト」は、とにかくミニマリストであることが至上目的になっています。いわば、スタイルとしてのミニマリストです。
傾向とスタイル
常にミニマリスト的にはどう考えるのが正しいかを模索しており、機能性や美観よりもミニマリスト的であるか否かを重視します。「ユニフォーム化」などの概念が先にあり、その概念に自分を合わせていきます。スティーブ・ジョブスなど、尊敬しているミニマリストの名を具体的に答えることができるかもしれません。
スタイルとしてのミニマリストというとかっこいいですが、「なんか流行ってるから始めてみた」くらいのふわっとした人がこのタイプであることも多いです。逆に極めすぎちゃって、もはやミニマリストを志向するくらいしか目的意識がなくなってしまった極限の人もいたりします。
海外では、アンチ現代的消費社会を表現するため、アートの一環としてミニマリストをしているかたもいらっしゃると聞きますが、そういったかたも、この「ミニマリストのためのミニマリスト」に含めてもいいかもしれません。
まとめ : あなたはどのタイプ?
以上、ミニマリスト・シンプルライフ志向のかたを、思いつくまま、六つのタイプで分類してみました。いかがだったでしょうか。ちなみに、当ブログ「物を捨てきれないなりにミニマリスト目指す」は、どちらかというと機能性重視タイプのミニマリストをイメージしています。
ぴったり当てはまるケースは、むしろ珍しいかも
実際には、これらのどれか一つのタイプにはっきり分かれるというのはむしろ珍しく、複数のタイプにまたがっている場合がほとんどだと思います。
血液型占いのように、当たっているところもあれば、全然違うところもあるでしょう。また、これ以外にもまだまだ色々なタイプのミニマリスト・シンプリストがいらっしゃることだと思います。
捕捉 : 六タイプ分布を調査したアンケートが実施された模様
その後、有志のかたが上記六タイプの分布を調べるアンケートを実施してくださいました。詳しくは、下記記事にて。集計結果は、ある意味で想定通りというか、予想外というべきか…。
反応・感想・リクエスト等お待ちしております。
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