最近書いた節約記事が人気です。特に下の二記事。
いわゆる四年で1000万シリーズですね。期せずしてシリーズ化してしまいました。この記事もそのひとつです。
ご好評いただいているので、より各項目について掘り下げた記事を書きたいところなのですが、各論になってしまうのと、本人にとっては普通のことなので、なかなか言語化が難しいです。
そこで、そもそもの自分にとっての「普通」――僕が節約を考えるうえでの根底となるマインドについて、思いつく限り記事にしてみたいと思います。基本的に、僕の節約術は、すべてこのマインドの派生といってよいはずだからです。
節約の大原則
最も確実な節約は、お金を使わないこと
まず、最も確実な節約は、お金を使わないことだと思います。
どんな還元率の高い商品だろうがサービスだろうが、還元率や値引き率が100%を超えない限り、一番の節約はその商品・サービス自体を購入しないことなのです。
割引・還元が得になるのは、もともとの出費が軽減される場合だけ
ひるがえせば、ポイント還元や値引きが得になるパターンというのは、「ポイント還元や値引きがなくても、その商品を買っていた」に限られることになります。
たとえば、いつも買っている200円の商品が195円になっていれば、それを購入することは5円の得ですが、普段買わない200円の商品が195円になっていれば、それを購入することは195円の損ということです。
その商品は本当にベストな選択か
また、いつも買う商品が本当にいつも買うに値するかは、定期的に検討しなおす必要があります。いつも買っている200円の商品が195円で売られていたとして、50m先の店舗で170円で売られていたとしたら、そちらで買った方がトータル30円の得です。
商品の最終価値を計算しよう
これらを正確に比較するために、商品購入時の金額は、消費税や割引、ポイント還元などのすべての要素を合算した最終金額にて比較するべきです。必ずすべての要素を計上する必要があります。計算式は、おおよそ下記のようになるでしょう。
税抜価格×(1-割引率)×(1+消費税)×(1-ポイント還元率)÷商品単位=商品価値
こうして見ると、大抵の場合、1%や2%の還元よりも、基本価格の大小が占める割合が大きい現実が見えてくるかと思います。何故なら、数式を見れば一目瞭然ですが、割引率やポイント還元が0~1の間で変動するのに比べて、税抜価格は0~9999、もっと高い購入物なら0~99999の間で変動する可能性があるからです。桁が違います。
どのタイミングで割引率や還元率が適用されるかはサービスや店舗によって違いますから、注意が必要です。ネットショッピングなら、更に送料も考慮に入れる必要があるかもしれません。これをいちいち計算するのは面倒なので、自分は、excelやスプレッドシートで数式を埋め込んだうえ、一覧表を作成しています。
普遍的価値を持つ商品は、なるべく「早く」できるだけ「多く」買った方がいい
普段の買い物をしていると、あまり意識しないかもしれませんが、これも大事な原則です。普遍的価値を持つ商品は、なるべく「早く」できるだけ「多く」買った方がよいです。単にまとめ買いをしろという話ではありません。物価は刻々と上がるからです。
コカ・コーラは100年前に買うべき
たとえば、120円のコカ・コーラがあるとします。仮にこのコカ・コーラの賞味期限が100年もつとしたら、最もベストな購入選択は、一生分のコカ・コーラを100年前に一括購入することです。100年前のコカ・コーラは今のコカ・コーラに比べて、はるかに安かったはずだからです。
商品が改良される可能性を考慮する必要がある
上記では、賞味期限の話を引き合いに出しましたが、ここでいう普遍的価値とは、何も期間の話だけに留まりません。たとえば、100円で20時間もつ消臭剤Aがあったとします。物価の上昇により、三年後にはその消臭剤Aの値段は、120円まで値上がりしたとします。しかし、その頃には、技術力の向上によって、40時間もつ消臭剤Bが160円で売られているかもしれません。であれば、三年待って消臭剤Bを買った方が得です。
つまり、早く多く買うメリットがあるのは、その商品の品質が長期的に変わらないだろうと思われる場合に限られるということになります。
節約には上限がある
常に最良の選択を仮定する
節約者は、節約に上限があることを自覚した方がいいと思います。
節約の上限値というのは、いくらでしょうか。ここで「どんな還元率の高い商品だろうが、一番の節約はその商品を買わないこと」という基本が生きてきます。「買わないことがベストな節約」なのだから、節約の上限値は、常にベストな選択をとり続けた場合で考えればいいのです。
つまり、何も買わないで一カ月過ごした状態が、その一カ月の最高の節約状態ということになります。
節約の上限値は、収入の全額と必ず一致する
この場合、節約できる金額は、節約者の収入全額ということになります。どんなにがんばってもあなたの節約額がこの上限値を超えることはないのです。
となると、年間の節約上限値は月間節約上限値に12を掛けたもので大体導きだされることがわかります(ボーナス・インセンティブ等の計算を忘れずに)。
節約の上限値は、絶対零度に似ている
この事実を感じるたびに、僕は節約というのは絶対零度みたいなものだなぁと思います。
温度の上限には制限がないのですが、物理世界のすべては、-273.15度以下には下がらないのです。「熱い」に限界はありませんが、「寒い」には限界があるのです。同じように「稼ぐ」に上限はありませんが、「節約する」には上限があります。収入総額以上にあなたが節約できることは絶対にありません。
つまり、節約によって貯金しようとするなら、その貯金活動は必ず限界を持っていることになります。それはどんな物質からも絶対零度以上に熱量を抽出できないのと一緒です。物質から絶対零度以上の熱量を抽出したいのであれば、物質自体の熱量を上昇させなければなりません。これが可能な場合、原理上抽出できる熱量は無限になります。同じように、節約には下限があったとしても、高収益化には上限がないのです。
なので、際限なく資産を増やしたいのであれば、節約が頭打ちになった時点で、収益化に思考を切り替える必要があるんじゃないかなと思います。
まとめ
というようなことをいつも考えながら、節約しています。いかがだったでしょうか。
あなたが節約するうえでの考え方のヒントになれば、幸いです。