この前、家賃振込みをするためにネットバンクにアクセスした際、久しぶりに残高照会してみたところ、予想外に口座残高が貯まっていることに気付きました(当社比)。最近、どうもいいかんじにお金を貯められているようです。
お金が貯まるという事象自体は歓迎すべきことですが、予想外というのは、あまりよろしい傾向ではありません。原因が把握できていないということだからです。
というわけで、今回は、何故最近いいかんじにお金が貯まるのかについて、考えてみたいと思います。
家計簿をつけていた頃よりも、お金が貯まっている気がする
以前は、家計簿をつけていました。この習慣は2014年に途絶えてしまいましたが、3年くらいは続いていたかと思います。
普通、家計簿というのは、家計を管理するためにつけるものです。支出と収入が見える化できるわけですから、家計簿をつけていた方が貯金はできるような気がします。
けれど、実際は、家計簿をつけなくなってからの方が、すんなりお金が貯まっている気がします。不思議です。
小さな支出にフォーカスしがちで、視野が狭まっていたのかもしれない
家計簿は支出と収入の両方を管理しますが、その実、記述の中心は支出が占めることになります。自営業でもない限り、収入は給与という形で一本化されるからです。
細かい支出を最適化しようとすると、とてもミクロな額の戦いになってきます。「100円のお豆腐を買うか、60円のお豆腐を買うか」みたいな世界です。それはそれで有用ですが、支出だけにフォーカスしすぎていると、もっと抜本的で効率的な最適化が他にある可能性を忘れがちです。
家計簿をつけなくなった結果として、いい具合にフラットに全体の収支を俯瞰できるようになったのかもしれません。
家計簿をつけること自体が労力であり、脳の質量を占領する
全ての支出を管理しようとすると、自然、家計簿も細かくなります。細かくなるということは、それだけ家計簿をつけること自体に手間がかかるということです。
「家計簿をつける」という手間は時間とエネルギーを奪い、「家計簿をつける」というタスクは、僕の脳の質量を少なからず占領します(※)。
つまり、家計簿をつける手間によって、収支の最適化をする時間、検討するだけの頭の余裕が失われていた可能性があるかもしれないということです。
※脳の質量…筆者がしばしば使う表現(「物を捨てきれないなりにミニマリストを目指していこう」)
家計簿に効果がないわけではない
とはいえ、家計簿をつけ始めた当初の効果は、劇的でした。
2011年当初の自分は、自分自身の収支を全く管理できておらず、給与のほぼ全てをその月の内に使っていました。使い道のほとんどは、本と、飲食物と、無駄なものだった気がします。(ここでいう無駄なものとは、たとえばATMの手数料なども含む全てのよけいな出費です)
そんな自分がはじめて家計簿によって収支を意識したわけですから、その効果は小さいはずがありません。改善をはかることで家計は大幅にスリム化し、月に数万円は差がついたはずです。この差は、一生で考えれば、決して小さな額ではないことと思います。
しかし、逆にいえば、家計簿が効果的だったのは、この「家計簿をつけ始めた当初の収支改善」までだった気がします。あとは、本当にミクロな100円200円単位の世界です。
転職した
今年の三月に転職しました。お金が貯まった原因として一番大きいのは、やはりこれだと思います。
給与が上がった
転職した結果として、給与が上がりました。
自分の年齢の平均年収と比較すると、そんなに飛びぬけて高額というわけではないのですが、以前が少々低めだったので、そう感じます。また、労働時間も前より少なくなったので、体感としてよけいに給与が高くなったように感じます。
ドリンクサーバの恩恵
以前の記事「転職一週間の目線から見る会社はどう?印象を五段階評価つきでまとめてみた。」でも書いたのですが、今の職場は、オフィス内にドリンクサーバがあります。このため、飲料代がほぼ無料で済みます。
このドリンクサーバの恩恵は馬鹿にできません。というのは、僕はすごく水を飲む人だからです。
上述のとおり、今は家計簿をつけていないので、細かい数字は不明ですが、概算で月あたり万単位の違いが出ているはずです。
ルームシェアで家賃が低く済む
これは最近の変化というわけではないですが、自分はルームシェアをしています。
ルームシェアをしていると、家賃とライフライン代が折半できます。 生活の基本である衣食住の内、住が半額で済む意味は大きいです。
クレジットカードを作ったのが逆によかった
転職活動を始めるに際して、フリーランスになる道も検討しました。そのため、人生初のクレジットカードを作りました(会社という後ろ盾がなくなると、審査が通りにくくなるからです)。
買い物の中心がネットに移り、よけいな買い物をしなくなった
よく「クレジットカードを使いだすと、買い物の歯止めがきかなくなる」という話を聞きますが、自分の場合は逆のようです。
クレカ決済というルートができたことで、amazonや楽天、ブックオフオンラインなどの利用頻度が増えました。結果として、足で買い物していた頃にしばしばあった「せっかく外出したのだから、一緒にあれも買っておこう、あの店で食べていこう」などの共連れ出費が減りました。
その結果が残高という形で表れたのではないかと想像します。
自分の趣味が実ってきた…のだったらうれしいけれど、なかなか
自分は創作オタなので、日がなモノを作っています。絵を描いたり、小説を書いたり、音楽をつくったり、プログラミングをしたりなどです。それがライフワークであり、最近は、ここにブログ執筆が加わりました。
好きなものでお金を稼げれば、言うことはありません。口座残高が予想より多かったことに気付いた際は、真っ先にこの「創作による収入」を考えました。「あれとか、これとかから振りこまれているのでは…!?」とウキウキしながら、ネットバンクの履歴を漁ったわけです。
しかし、現実はそこまでうまくはいかない
たしかに創作物関係の振込がゼロというわけではありませんでしたが、「ゼロではない」と「大金」の間には大きな隔たりがあるものです。やっぱり残高の数字の主原因は、上記の転職やクレジットカードによる影響が大きいと考えるべきでしょう。
あしながおじさんがいる可能性
もしかして、上記の推理は全て空論で、実際は謎のパトロンであるところのあしながおじさんが、僕に親切な寄付をしてくださったのかもしれません。可能性がゼロではない仮説は、おしなべて検証の必要があります。
いない
同じく履歴を調べましたが、そのような人物の存在は確認できませんでした。
まとめ
「貯める」というよりは「貯まる」
はじめに書いたように、今回の記事発端は、自分の予想と実際の口座残高に数字の齟齬があったことから始まっています。つまり、僕自身に貯金の意識はありませんでした。「貯める」というよりは「気付いたら、貯まっていた」が正確なところです。
ミニマリスト志向をやめれば、もっと貯まる気がしないでもない
当ブログは、ミニマリストを目指していくブログです。
ミニマリストというと、しばしば「所有物が少ないのなら、低消費で生活できるのでは?」と考えるかたがいらっしゃいます。しかし、多くの場合、これは成り立ちません。詳しくは「ミニマリストは少ないお金で暮らせない」で解説しましたが、所有しないからといって消費しないとは限らないのです。
むしろ、「所有しないためにしなければならない消費」というものが増え、結果的にお金がかかります。
僕自身も、ミニマリストを志向した結果として、出費自体はかえって増えた気がしています。今、僕が家計簿をつけていたとしたら、食費や電熱費などの項目に混じって「ミニマリスト費」という項目を用意していたかもしれません。
今回貯金額が増えていたのは、他の貯金効果がミニマリスト費を凌駕した結果にすぎません。
でも、ミニマリスト志向をやめるつもりはない
いまのところ、ミニマリスト志向をやめる気はありません。
というのは、僕がミニマリストを目指すのは、お金が目的ではないからです。
「あなたは何故嫌われる?実体験から解説する四つの嫌儲メカニズム、他。」でも述べましたが、お金はただの引き換え券です。引き換える宛てのない券を貯めても意味がありません。引き換え券を使いきるために引き換え先を探すのでは、本末転倒です。
僕がお金で引き換えたいのは時間と脳の質量です。ミニマリストを目指す目的も同様です。だからこそ、この二つ(お金とミニマリスト志向)は、僕の中で対立しつつも並列しているのです。
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