物を捨てきれないなりに。

冷蔵庫まで断捨離して生活している僕が、それでもミニマリストを名乗れない3つの理由

[extoc]

筆者は、ミニマリストを自称していません。

ミニマリスト系ブログをやっておいて何を言うのかと思われるかもしれませんが、僕の場合、自分のことを言う時は、大抵「ミニマリスト志向者」とか「物欲のない元マキシマリスト」という言い方をすることにしています。ミニマリストと名乗ったことはないのです。

筆者は、おそらく今現在ミニマリストを名乗っているかたがたの大多数より、物を持っていないと思います(あくまで筆者の観測範囲の中での話ですが)。冷蔵庫まで捨てているかたは希少なので、多分そうでしょう。

しかし、やっぱり自分を指してミニマリストというのは気が引けます。

今日は、その辺のもにょもにょ感――筆者が感じている引け目について語りたいと思います。

そもそも、比べるボーダーが間違っている

環境は人によって違う

ミニマリストというのは最小限主義者です。しかし、何が自分にとっての最小限なのかは人によって違います。

家族がいるかたと独身である自分を同列視して、物の数を語るのはナンセンスです。社会的に出勤時の化粧や身だしなみが求められる女性と、男性である自分とで、物の数を比べるのもナンセンスです。

筆者は、たまたま冷蔵庫や電子レンジがいらなかったし、服とか靴とかどうでもよかったし、電子書籍に抵抗がなく、物欲がなく、男でした。それを自分の努力や自分のミニマリズムと勘違いするのはイカンと思うのです。

モノが大好きだ

筆者は、ミニマリストを志向している今現在もモノが大好きです。

部屋はごちゃごちゃとちらかっていた方が落ち着きます。映画ネバーエンディングストーリーに登場するコレアンダー書店のような、雑然と古い書籍が並ぶ本屋さんが大好きです。用途がわからない意味不明なガラクタが、時としてめちゃめちゃ愛おしくなる瞬間があります。

なので、僕は「モノはいらない」とは口が裂けても言えません。

あくまで、およそ数多ある「モノ」の中に、僕にとっていらないものもあるというだけの話です。そして、よくよく考えてみると、意外になくても大丈夫なものが多かったというだけです。筆者はモノが大好きです。

ミニマリズムとは主義であって結果ではない

ミニマリスト=最小限主義者≠最小限体現者

ミニマリストとは、最小限「主義」者です。そして、ミニマリズムとは最小限「主義」です。

つまり、ミニマリストとは、決して最小限「体現」者のことではないと思うのです。体現者ではなく、主義者。体現しているか否かではなく、主義として「最小限」しているかどうかが大事だと思うのです。

そこで、自分は「最小限」を主義・主張・ポリシーとして生きているかなと思うと、「うーん、そこまでではないな」という気がするのです。(というか、最小限体現すらできているとはいえないんだよね)

最小限主義しているところもしていないところもある

ところどころ偶然にも最小限主義しているところはあるかもしれません。でも、それは、性格判断で、誰もがちょっと怒りっぽい要素を持っていたり、ナイーブな一面を持っているのと同じです。誰にだって探せば最小限主義な部分もあるというだけの話です。

筆者の中では「これは最小限でいいかな」と思える分野と「これはほどほど持ちたいな」と思える分野と「あるだけ全部持ってこい!」と思える分野が同居しています。

つまり、あくまで時々ミニマリズムしている普通の人に過ぎないのです。同じように、時々マキシマリズムしていますし、大部分をドチラデモナイニズムしています。ほとんどの人がそうだと思います。

筆者は「ミニマリスト行き」のバスに相乗りしている一般搭乗客

筆者のやっていることは、ミニマリズムを都合よく自分の生活に取り入れているだけにすぎません。筆者は、いわば「ミニマリスト行き」のバスに相乗りしている一般搭乗客です。ミニマリスト志向する先に僕の目的地もあるから、乗っているだけにすぎません。

自分の目指すバス停にたどり着いたら、僕はさっさとバスを降りると思います。そこから先、バスは僕の目的地から逸れていってしまうからです。

まとめ

というわけで、自分がミニマリストを名乗らない理由などについて語ってみました。まとめると、次のような形です。

  1. そもそもモノの少なさは単純比較できない
  2. そもそもモノが大好きだ
  3. そもそも自分は最小限「主義」者ではない

でも、ミニマリストという言葉はすごく便利でわかりやすいから困るぜ

しかし、人に説明する時に「ミニマリスト」という言葉はとても便利です。結果、「ミニマリスト志向者」「ミニマリスト系ブログ」という苦肉の自称にたどりつきました。このニュアンスの違いをいちいち熱弁するのは疲れるし、そもそも熱弁したくないし、多分相手も望んでいないでしょう。

ローカルなたとえで申し訳ないですが「宮城県民がとりあえず仙台出身を自称する気持ち」といえば、わかるかたにはわかっていただけるのではないでしょうか。

悩ましいのです。

 

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