以前、「電書派?紙派?kindleで四コマ漫画を買ってみたら意外によかった話」という記事を書いたのですが、あれ以降、kindleでぽちぽち四コマ漫画を数冊買いました。「隙間時間用の漫画本は数冊もあれば充分でしょう」とか言っていたくせに。げにおそるべし、ワンクリック購入の罠。
電書派?紙派?kindleで四コマ漫画を買ってみたら意外によかった話 | 物を捨てきれないなりにミニマリスト目指す。
ただ、このまま僕もkindle沼の住人になるのかなーと思いましたが、結局そうはなりませんでした。結論として、kindleで漫画を買うよりは、ブックオフ⇒自炊の方がいいなという答えを得たからです。
以下は、そこまでに至った経緯です。
最初に結論 : 旧作漫画は、kindleより自炊が正義
「kindleで漫画を買うよりは~」と上述しましたが、正確には「kindleで旧作漫画を買うよりは~」です。
新作漫画なら断然kindle。でも、旧作なら自炊
多くの場合、kindle書籍は紙媒体より値引きされています。これは生産コストや流通コストが削減できることを考えれば、自然なことでしょう。更にkindle自体のセールと重なれば、大幅な割引が期待できるでしょう。
これらの利点から、新作漫画を買うのであれば、間違いなくkindleで買うべきです。しかし、新作漫画以外はこの限りではありません。
何故旧作漫画は自炊の方がいいのか?
kindleの旧作漫画はフルプライスで高いけど、紙なら安い
新作とそうでない漫画を区別するということは、その差はもちろん値段です。
かくれんぼ戦略さんの「Kindleや電子書籍に対して、このへんの機能を改善してほしいという話 2015年1月版」でも触れられていましたが、kindleで販売されている漫画は、相当以前の作品でもフルプライスであることが多いです。
それらkindleで販売されているフルプライス旧作漫画は、ブックオフで購入すれば、100円で入手することができます。フルプライスと100円です。この差は大きい。kindle本と紙本の価格差は、しばしば500円を超えます。
どちらがお得なのか?
もちろん、ブックオフで購入するということは自炊の手間が発生するということです。つまり、時間というリソースを食われることになります。要は、これが釣り合うかどうかです。
一時間あたりの自炊価値を計算してみる
自分が持っている自炊用スキャナscan snap ix500では、一時間に10冊程度のスキャンが可能です。裁断する手間を考えても、1冊に10分以上かかるということはありません。
kindleと自炊の価格差を、少し小さく見積もって400円程度として、10分あたり1冊であれば、一時間あたりの自炊作業の価値は2400円です。これはお恥ずかしい話ですが、僕の一ヶ月の給与を勤務時間で割った額を上回ります。
つまり、kindleで漫画を買う額を捻出するために一時間勤務するくらいなら、一時間自炊した方がペイできるということになります。
僕は「時間はプライスレス」だと考えている人間ですので、少々のペイならまだkindleに傾いてもよかったのですが、かなりのペイ率でしたので、最終的に自炊に落ち着きました。
他の行為と抱合せられれば、実質的な作業時間はゼロに
自分の場合、自炊中にラジオを聴くようにしてから、更にお得感が増すようになりました。娯楽(ラジオ)としての時間の中に作業をねじこめるのであれば、実質的に作業に余計な時間をとられることはないからです。この場合の自炊作業の価値は、2400円をはるかに上回ることになります。
古い本はそもそもkindleに置いていない
自炊の方がよいメリットその2です。
旧作が今後も配信される可能性は望み薄だと思う
kindleでは、旧作漫画本の電子書籍はあまり充実しているとはいえません。全くないわけではありませんが、歯抜け状態です。おそらく出版社の絡みなどもあるのでしょう。契約が切れて出版社が既に出版権を持っていない場合、電子書籍に関して及び腰な場合、昔すぎて原本を紛失している場合などが考えられます。
今後の電子書籍界隈の発展と共に、新作電子書籍についてはますますコンテンツは充実していくかと思いますが、旧作についてはおそらくそれほどの拡充は期待できないかと思っています。理由が出版社絡みだとすれば、まず無理でしょう。
kindleにないなら、自炊するしかないじゃない
提供される本の中から読みたい本を選ぶ場合は不満はありませんが、決め打ちで読みたい本があって、それがkindleにない場合はショックです。
しかし、市場の紙媒体を自分で購入して自炊するなら、この限りではありません。
中古書店で見つからないなら、オークションを利用してもいいでしょう。僕はまずブックオフオンライン、そこで見つからない場合ヤフオクで探すことが多いです。
↑ちなみに、最近オークションでゲットしためるへんめーかー先生の漫画群。もう、本当kindleには三冊くらいしか置いてなくて(それでも三冊あったことは、すごくうれしかった)。ブックオフにもなくて。オークションさまさまです。この人の描く少女漫画、大好きなんですよ。
小さいけど、大事なメリット : 自炊なら、カバー裏漫画も収録可能
これは、当初あまり重要視していませんでしたが、実際にがんがん漫画を自炊してみると、「意外に大事なポイントかもしれないな」と感じました。
データを用意している出版社の熱意次第ですが、kindleに置かれている漫画には、カバー裏などのおまけ漫画が収録されていない場合が多いのです。
しかし、自炊なら、スキャンするのは自分ですから、このようなカバー裏漫画も余すことなく収録することが可能です。こだわるなら、いっしょについてきた栞や感想ハガキなどを一緒にスキャンしてもいいですね。
まとめ
以上の二点+1が主な理由となって、僕は漫画本に関しては、kindleから自炊にシフトしました。
以前は、見開きを2ページ表示する際、電子書籍媒体の小さい画面では辛いと思っていましたが、kindle慣れしたせいでしょうか、なんとなくその障壁も突破しました。
ただ、テキストコンテンツに関しては、一貫してkindleで買うべきだと思っています。それは、OCRはリッチフローのメリットに勝てないからです(詳しくは、過去記事「kindle沼に疲れたら?セールとの上手なつきあいかた」)。
kindle沼に疲れたら?セールとの上手なつきあいかた | 物を捨てきれないなりにミニマリスト目指す。
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