考察2の続き : 何故「バルス」の呪文はあんなに短いのかを、もう少し考える
前述したとおり、筆者はラピュタ族に伝わる呪文を、単純に機能的な、物理的な、科学現象だと捉えています。であれば、その発動条件を縛るセーフティもまた、単純に機能的な、物理的な枷でなければなりません。
筆者の考える説はこうです。
「バルス」の呪文は、玉座の間でしか機能しない
ムスカは、もっぱら巨大飛行石の前の石版で、ラピュタの権能を操っていました。「読める、読めるぞォ…!」なんて言いながら。いわば、石版はコントロールパネルといっていいでしょう。
これは、おそらくラピュタ全盛期も同様で、普段使いの力の行使は、もっぱらあのコントロールルームでとりおこなわれていたのではないかと思います。
対して決戦の舞台は玉座の間でした。実は、この場所こそがバルス発動のカギだったのではないでしょうか。滅びの呪文を知っているのはラピュタ王家の人間です。そして、玉座の間に入れる人間も、普通に考えれば王家の人間でしょう。あの玉座の間は、いわば有事の際のセキュリティルームだったのではないでしょうか。
「バルス」の呪文は、二人以上が唱えてはじめて機能する
そして、もうひとつ推したい説がこれです。前述の説とこの説のどちらかが正しいというよりは、両方とも正しい複合セキュリティシステムだったのではないかと思っています。
つまり、「バルス」は単独詠唱では機能しない、複数人で唱えて初めて効果を発揮する呪文だったのではないでしょうか。
これは、安全面を考慮する立場の気持ちになって考えると、かなり自然でしっくりくる仮説です。
つまり、一人以上の承認者を用意することで、安全性を担保しようという発想です。現実にも、こういったダブルオペレーションによって誤作動防止策をとっている職場は結構あるんじゃないでしょうか。指さし確認ならぬ手合せ確認。二人が同時に飛行石に触り、「バルス」と唱える必要があった――。
これが筆者の考える「バルス」誤作動防止仮説です。
まとめ
というわけで、自分の仮説をまとめますと以下のとおりです。
- 呪文は、必ず飛行石を媒介とする。
- 滅びの呪文「バルス」を唱える場所は、玉座の間でなければならなかった。
- 滅びの呪文「バルス」を発動させるには、二人以上での詠唱が必要。
いかがでしょうか。これなら全部飛行石の持つ機能的な制限として、現象に説明がつきます。
ご都合主義という壁
唯一の難点は、いささかご都合主義すぎるのではないかということです。
上記の仮説を信じるなら、シータとパズーがムスカに打ち勝てたのは、彼らが偶然玉座の間に追い詰められ、彼らが偶然二人で呪文を詠唱したからということになります。そんな偶然が起こりうるものでしょうか?
超科学を破る偶然と幸運、それを人は奇跡と呼ぶ
しかし、これは話が逆だと思っています。
つまり、発動条件が厳密だからこそ、二人の勝利は偶然と幸運に頼るしかなかったのではないでしょうか。
何の安全策もなくバルスという呪文があったとは考えにくい、そのうえでパズーとシータがバルスの呪文を成立させられるパターンがあるとすれば、それは何か? 偶然と幸運しかなかったと思います。
実際には、あのラピュタの崩壊は、おそろしく危うげなバランスの上、辛くも掴んだ勝利だったのではないか。それこそ、奇跡と呼んでもいいほどの。そう思うのです。
>「ああ学校行きたくない、ラピュタおっこちねえかなあ…」
大変(笑)
とても納得しやすい仮説でしたー
なるほどねぇ 面白いです
声紋認証もついてたのかな(笑)
呪文ってことは魔法なんでしょうかね・・・
でも飛行石って自然物(鉱石?)ですよね
そこに人工物の呪文ってどうやって組み合わさったのでしょう
コンピュータみたいな機能を持っていたり
魔法のような力があったり
そんな不思議な石がわたしは欲しい(え
しぃさん
声紋認証!ありえますね。
もしかして、「王家の人間かどうか」は遺伝的な声の特徴とかで判別していたのかも…とか妄想が膨らみます。